おにぎり握るように愛してくれない?

キラキラした男の子達のこと

想い出は永遠のチケット

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 主催者様をはじめ、前回参加された方々の作品も拝見し、改めて素敵な企画だなあと思いましたので、今後の益々の発展を祈って微力ながら今回も参加させていただくことにしました。

 今回のお題が「チケット」ということで、なにを書こうかと迷っていた矢先にあの出来事が起きました。当事者でも該当担でもないけれど、やっぱりあまりに大きな出来事すぎて。生意気ながら、それを踏まえた形になってしまったことをご了承ください。

 

 

 アイドルに会いに行くとき、必ず必要なものがチケットだ。チケットは彼らに会うための通行証であり、その半券は彼らに会えたという事実を物語ってくれる唯一の物証である。アイドルとそれを応援するものの間に必ず立ちはだかるこのチケットという紙切れは、両者の立場を区切る為になくてはならないものだ。アイドルは夢を売り、それを我々はお金で買う。チケットを手にする度に突き付けられる現実。これなしでは彼らに会うことは許されない。

 彼らに会いたい、と思って我々はチケット争奪戦を必死で乗り切る。その一方でふと、彼らは私たちに会いたいのだろうか?と思う。「会いたかったぜ東京ー!!!」という言葉を大きな声で叫ぶ彼らは、そんなことを心から思っているのだろうか?と。

  アイドルを生業としているひとたちにとってファンはきっと大切なものであるはずだ。ファンはアイドルがアイドルでいるために重要な構成要素のひとつであるからだ。しかし、ファンの存在は、アイドルにとって重要な構成要素であるのと同時に、一種の業である気もする。自分がアイドルでいる限り、ずっとファンはついてくる。その時の人気によって規模は違えど、自分の一挙一動を事細かに見ている人間が何万人もいる。その異様なプレッシャーが、アイドルを潰してしまわないのか、そこから逃げ出したくなってしまうのではないか、と。

 東京ドームのスポットライトの下に立てる人間なんてこの世の中で一握りしかいないのに、そこから身を引こうとするアイドルを、誰一人として引き留めることができなかった事実を突きつけられて、そんなことを考えた。

 私の応援するKis-My-Ft2には「永遠のチケット」という曲がある。勝手な解釈にすぎないが、この曲を聴くといつも少しだけ安心する。この曲の詞が、アイドルにとってのファン、ファンにとってのアイドルというものの理想形である気がするからだ。

「またね」「今度ね」「ありがとう」「最高」と

言葉達がくれた この勇気が 輝きになるから

  自分の想いや言葉が、重荷ではなく、彼らが輝くためのものになってくれているといいなと思う。たかだか他者が作詞した歌のワンフレーズにしかすぎないと言ってしまえばそれまでだけど、彼らがそれを少しでも糧にしているのならば、微力だけれど、届いているという確証はどこにもないけれど、それでも「ありがとう」と伝えたい。だから会いたい。その為にチケットを取る。彼らに会うための唯一の方法が、それしかないから。

 スポットライトから身を引くことを決めた彼の、本当の理由も、その後のビジョンも、いまだ明らかにされていない。彼は未来を保証されたデビュー組というポジションに身を置きながら、アイドルであることに終止符を打つ決断をした。ファンの想いや言葉が、彼にとっての糧ではなくなったということなのか、それは本人にしかわからない。ただ、その想いや言葉を伝える場に、今後一切立たないという選択を彼がしたのは事実だ。ファンの想いや言葉が、彼の輝きにはつながらない。そもそも輝く彼を見続けられるかどうかさえ宙ぶらりんのままだ。彼に会うためのチケットは、今後一切この世の中には発行されないかもしれない。こちら側が会いたい、と心から願っても、その思いが果たされない未来がすぐに訪れてしまう。それは彼を応援していた人はもちろん、四人の形を愛していた人たちにとっても切ない現実だと思う。当事者でない限り、その気持ちを理解できるはずもないし、もし自分の担当だったらと重ねて悲観してもきりがないのはわかっている。でもただただ苦しくて切ない。

「すぐに また会えるように」

想い出は 永遠のチケット

 「永遠のチケット」の最後のフレーズ。本来の歌詞の意味はきっと『次に会えるときまで、今日の想い出の中の僕らを思い出して、待っててね』というようなものだと思う。

 想い出は、確かに、いつでも彼らと会えるチケットだ。

 でも、想い出❝だけ❞が彼に会うための唯一のチケットだなんて、あまりにも切ない。

 

 

ジャニヲタ文芸部第0回~お題『担当』~ に参加してみた

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ジャニヲタ文芸部というものが発足していたので、こっそり参加してみようと思います。担当という概念について思ったことを以下つらつらと。エッセイのようなものになるのかしら。エッセイとか書いたことないけど(笑)

私自身、気がついた時には遅かった。心を侵食していったのは、傍から見れば何の価値も持たない熱情だった。それまで何故彼と関わりを持たない人生を歩んでこれていたのか、まったくわからなくなるほどに彼が自分の軸の中心に据えられる。担当とはそういう現象の呼称であるのではないだろうか。一瞬でその熱情に覆われてしまうひともいれば、必死に抗ったにも関わらず結果として飲まれてしまうひともいる。
極論、アイドルは何者かによって作られた虚像でしかないと思う。けれど、ジャニーズという世界で生きる彼らは、それにしては生々しく、ひとりの人間として存在し、もがきながら未来を切り開こうと歯を食いしばって生きている。その必死さに、虚像であるはずの存在がありありとそこに存在している気になる。彼らに幸せな未来があることを、心の底から祈ってしまう。祈ったところで虚像であり、その向こうではガッチリと大人の決めたレールが引かれているかもしれないし、そもそも本人にギラギラとした野望があるかどうかすら確かめる術はないというのに。どうかその夢が叶うように、と祈ってしまう。
何百人もいるなかから、雷に打たれたように彼をみつけ、心を奪われ、頼まれたわけでもないのに毎日毎日、彼を想う。雷が落ちた時、ジャニーズアイドルと我々は、一方的な契約を交わすのだ。実際に書面があるとしたら、『乙は甲を担当し、無償で甲を応援する』というような契約書だろうか。捺印するのは、我々だけである。一方の捺印しかない契約書は、意味を成さないように思えて案外自分の枷になる。人によっては担当と交わした契約を破棄する時も訪れるからだ。永遠かと思われた契約が終わる時も一方的である。担当が芸能界からいなくなる場合を除いて、我々側から契約の破棄を勝手に宣言するのだ。いわゆる担降りである。一方的な契約を新たな担当と結ぶひともいれば、この無意味なループから抜け出していくひともいる。抜け出しても、1度でも担当と契約を結んだ経験がある場合、この一方的なはずなのに幸せを感じる関係が恋しくなって戻ってくるひともいる。
ジャニーズアイドルとジャニヲタの関係性は『担当』という言葉に現れている、と思っている。
自分を知り得ない虚像相手に、心を砕いてああでもないこうでもない、あれがいい、こうしてくれたらいい、と思案する様は一般的に見れば狂気とも取れる。ファンという語源はfanatic(狂信者)であるとされる。しかし、ジャニーズ界隈ではファンという言葉はあまり聞かない。その代わりに担当という言葉が存在しているが、狂信者という語源を持つ『ファン』よりも、『担当』という言葉の方がよほど狂気的であると思うし、呪縛のようなイメージすら抱かせる。『担当』という呪縛。心を囚われて、動けなくて。でも、これほどまでに甘美な呪縛がほかにあるだろうか。この幸せな呪いを解く魔法があったとしても、今のところ私には必要ない。というよりまだここにいたい。楽しすぎて目を覚ましたくない。担当と交わした契約書を胸に、今日もまた担当の写真を眺めている。

#1ふぁぼごとにジャニーズ以外の好きなもの言ってく

 というタグをやりかけていたのを一か月以上放置しててなんとなくふと思い出しました(ひどい)今更TLにのせるのも恥ずかしく、こちらでまとめて残りを答えることにします。なぜ途中で放棄したかというと、忌々しいシンガポールドタキャン事件が勃発したからです(笑)

まずはツイートで答えていた分。

お会いして一緒にお食事した方にはわかるでしょうけど、え、そんなに飲むんだ…?っていうくらい私は本当にビールが好きです。

しかもその月9のお相手は今をときめく堀北真希ちゃんだったし、婚約者は内田有紀だったし、なんなら成宮寛貴からも好かれる役で私はもうどうしたらいいか分からなくて毎週死んでた。

東京に行く度に人の多さと広さに辟易する。福岡くらいこじんまりしてるのに慣れちゃうとねえ…。

 というわけで残りをざざっと。

12.睡眠

惰眠を永遠に貪りたい。北山くんじゃないけど、どこでもすぐに寝れる。眠たくないときでも「眠い~」とか言っちゃう。あとお腹すいてなくても「お腹すいた~」とか言っちゃう。基本的に頭がからっぽなので本能がそのまま言葉に出る。でも長時間寝続けるのは苦手で、起きて、寝て、起きて、寝て、を繰り返す。基本的にはショートスリーパーの部類だと思う。

13.富士急

東京にいた大学四年間で行った回数が、Dよりも断然多い。ていうかDは一回ずつしか行ってないし、もうそれで満足している(笑)だれかDの良さを教えて欲しい(笑)富士急に行ったら、とりあえずフジヤマにめっちゃ乗る。めっちゃポーズ取る。あと鉄骨番長ずっと口ずさんでる。全アトラクション制覇してるはず。戦慄迷宮もだいすき♡お化け屋敷だいすき系女子なので、男子と行ってもなんにも盛り上がらないし、なんなら男子が入りたがらないのでいつも困る。ひとりで入っても全然楽しくない。こわがる友達を見るのがすき♡(悪趣味)

14.福岡

これは書かなくてはならないだろう。東京に住みたいと常々思っている割に、郷土愛はとてつもなく深い。福岡だいすき。街がコンパクトで、非常に便利。観光名所はこれと言ってないから、本当に遠征に持ってこい!とりあえずお腹の調子を整えてきて頂きたい。1泊2日じゃ、正直足りない。グルメ全制覇するなら1週間かかる!!修羅の国とか言うけどみんな陽気で気さくでいい人ばかりだから、みんなぜひ遠征できてね!(宣伝)

15.帽子

ハットとかニット帽が多いけど、よくかぶる。ジャニーズかっていうくらい外出のときはほぼかぶる。髪の毛がくせっけでどうしようもないことが多いので、それを隠すのが目的。女優帽のベージュを手に入れたいところ♡

16.Dr.Martens

黒のエイトホールが好きすぎて困る!もう一足欲しいくらい!今使ってるやつは古着屋さんで買って、だいぶユーズド感が出てたので、今度は新品を買って履きつぶしたいなあ…。こればっかり履いているので、服が全部これ中心のチョイスになる。飛行機乗るときたまに検査に引っかかるのがめんどくさい。でも好き。

17.秋

自分が秋生まれっていうところもあるけど、やっぱり10月が一番好き。ひんやり寒くなってくるとニヤニヤしちゃう。金木犀の匂いがするとキュンとなるし、意味もなく散歩する季節。福岡は秋が一番空気が澄んでて気持ちいいのですよ。(春は黄砂とPMなんたらですぐかすむ)夏は曇りがちなイメージだし…。やっぱり秋がいちばん!

18.ラーメン

結構好きだよなあ、と。あんまり意識したことはないけど(笑)天一はもちろん、とんこつも味噌も、しょうゆも好きです。蒙古タンメンはたまに無性に食べたくなる。大学時代、渋谷の蒙古タンメンめちゃ通った。あと大学時代、近所に家系の有名店があったので、足しげく通いました。家系めちゃくちゃ好きなんだけど、おすすめは、煮卵をごはんの上でくずしてスープにひたした海苔で巻いて食べるやつ。あああああ食べたい。とんこつも好きです。無類の肉好きなのですぐチャーシューメン頼んじゃう。チャーシューにはうるさいです!(何)

19.SONY

気付けば身の回りを囲まれていた。テレビ、レコーダー、スマホ、PC…。唯一ウォークマンだけ持ってなくて、そこだけアップルという感じ。xperiaちゃんが本当に好きなので、iPhoneにはまったく興味がわかない。iPodtouchでアップルだけのアプリとかはカバーしてるので問題なし。レコとPCが勝手に繋がってるので、PCで録画みれたりする。タブレットも買おうかなあと画策中。

20.リリーフランキー

実際ですよ?福山さんが結婚してもなんてことないけど、リリーさんが結婚したら私はもしかすると北山くんの熱愛並にショックかもしれない。私がおでんくんを好きなのもリリーさんの作品だからっていうところが一番。なにが好きって、よく説明できないんですけど、人生をあきらめてる風に見えるのに結局楽しんでるっていうところかなあ…。リリーさんと結婚したい。割と本気。こないだの「あの花~」の実写版ドラマで、美術教師役やられてたんですけどもうほんとに最高だった。ああいう退廃的な雰囲気を持った美術教師最高じゃん…!って思いました。元来の私の性癖はこういう退廃・諦観とかいう雰囲気を持った人に反応するはずなのですが、どこをどう間違ったのか生命力みなぎる北山くんにころっと持ってかれてしまって…いまだに謎です。

21.ポテチ

カルビー様にどれだけ貢いでるかわからない。株主になりたい。じゃがビーも、ふつうのポテチも、堅揚げポテトもホントに好き。毎日一袋食べてるんじゃないかな…?お酒のおつまみはきまってカルビーのポテチです。すきな味はうすしお、コンソメ!九州しょうゆは激うまだからみんな福岡来たときは食べて!最近のヒットは堅揚げポテトのはちみつバター味♡

22.野球

ナニキタの敵、野球。結構好きです(笑)パではホークス、セでは巨人。アマチュア野球もたしなむ。推してる選手はホークス今宮!!ショートの選手が無条件で好きなところある…ミーハー…。ドームに野球見に行くこともしばしばです。

23.シュークリーム

ここでいうシュークリームとは、コンビニのシュークリームのことです!!各社食べたけど、ダントツはセブンのとろりんシューですわ!一番安いやつ!最近でたちょっと高めのやつも食べたけど、絶対とろりんシュー!!ローソンのホイップとカスタードのWパンチも心揺れるけど、やっぱりとろりんシュー!!各社のシュークリームって、実は製造元は一緒らしい。濱キスで見た、シュークリームをさかさまにして食べるとクリームがこぼれない、っていうのは本当に本当に役に立ってる。ありがとう!!(笑)

24.バス

移動手段として、バスが一番好き。車も好きなんだけど、バスくらい高いところから街が見えるのが好き。大学時代、路線バスに乗って知らないとこまで行くとかよくやってた。ひとりで。適当に歩いて、適当にご飯食べて、適当に神社とかによっておみくじ引いて帰ってた。とにかくひまだった(笑)次点で飛行機かなあ。新幹線は嫌い。電車は満員じゃなければ好き!

25.耳

人の耳がホントに好きで(笑)酔っ払うと人の耳触ることがあるらしい(覚えてない)ひどいときは人の耳を噛んでたっていうご指摘を受けたこともある(覚えてない)(最近は酒癖悪くないので大丈夫ですけど)耳たぶも好きなんだけど、軟骨部分が無性に好きで、自分でもよく耳を触っちゃう。ピアスしてるとすぐピアス触っちゃうし。付随させていうと、ピアスをしてる男性もダイスキデス。穴だけあって最近は全然してないけど、っていうのも好き。(それって)

26.吉井和哉

最近眞鍋かをり氏と結婚したひと。高校生のとき「吉井さんと不倫する!」が口癖だった時期があった。今も実家の自室の天井には超ビッグサイズの吉井さんのえっろい顔したポスターが貼ってある。見ながら寝てた。好きになったきっかけは、ソロ第一弾のTALIという曲。本当に名曲なので聴いてほしい!!歌詞がまるっと全部好き。

TALI - YOSHII LOVINSON - 歌詞 : 歌ネット

www.youtube.com

ちなみにこのブログのタイトルも吉井さんの曲(I WANT YOU I NEED YOU - 吉井和哉 - 歌詞 : 歌ネット)からいただいた。「寒い朝にこっそりおにぎり握るようにように愛してくれない?」というフレーズが吉井さんの寂しさがぎゅっとつまったフレーズが好きで好きでたまらなくて拝借している。イエモン時代の曲もすべて聞いた。ライブパフォも映像で追っかけた。でも生の彼らを見ることはかなわなかった。再結成してほしいとは思わないけど。イエモンのこともあって、キスマイちゃんと同じ時代に生きる奇跡、キラキラした姿をこの目で追うことができる素晴らしさが身に染みてるところはある。

 

以上です!ここまで読んでくださった方なんているんだろうか笑

ふぁぼしてくださった方々、遅くなりましたがありがとうございました♡♡

今日だけはみんなのみっくんでーす♡

 

 8月のお盆明けからの怒涛の現場月間が終わりを告げた。自分がジャニ沼に落ちたと自覚してから、一番濃密な一か月(もとい北山くんのお尻を追っかけ続けた一か月)だった。

 皮切りは滝沢歌舞伎シンガポール公演だった。すでに遠い記憶だが、まだたったの1か月しか経っていない。東京から帰ってきた部屋で、ふとシンガポール公演のパンフレットを読み返した。北山くんのページにこういった文章があったことを思い出した。

I know I'm usually the joking around type, but I actually had some pretty cool scenes in the Tokyo performances of Takizawa Kabuki and I even heard that Takizawa got a bunch of letters from my fans saying things like, "Thanks for showing us the cool Kitayama!" I guess that shows that I really hadn't done much that was really on-point up until then in Japan, but I hope that the Singapore audiences will be able to see this on-point version of me too.

 カッコイイ北山くんを欲している我々を、タッキーへの手紙を通して北山くんが認識したということである。(超意訳)でも結果として、今回のツアーは存分にカッコイイ北山くんを堪能することができた。歌舞伎の新橋公演を観劇したあと、こんなつぶやきをして今後の彼を憂いていた自分をぶん殴ってやりたい。

  北山くんが過去の自分自身を超えられないはずがないのだ。彼の可能性は無限大だ。今回のツアーで確信した。北山くんはきっと、どこまでだっていってしまう。どんな高みへもきっとたどり着いてしまう。

 今回のツアーで感じたのは、自分を『魅せる』という部分において、遠慮がなくなったのではないか、ということだ。北山くんはデビュー後『自分は2.5枚目だ』という呪縛のようなもので自分を縛り付けて、あらゆる面でバランスを取ろうとしていたように感じる。もちろんライブパフォーマンスはいつだって『2枚目』だったが、今回のツアーを見た今となっては、それらが全力の『2枚目』だったのかどうか疑わしい気さえする。そう思うくらいに、滝沢歌舞伎を経た北山くんは一皮むけた気がした。『2.5枚目の呪縛』がそぎ落とされたように感じた。だからこそ、今回のツアーでの北山くんはひときわ輝いていたのではないだろうか。自担へのひいき目は多少あれど、どうみたってパフォーマンスがずば抜けていた。スイッチが切れる瞬間がなかった。常にパフォーマーだった。ふと佇んでいる表情ですら、見とれてしまった。まあこれに関しては自担への盲目的な愛のせいだと言われても致し方ない。でも、彼はふっと息をつくことはあれど一瞬たりとも気を抜いてはいなかった。常に見られている側の人間としてそこに立っていた。当たり前だと思う。でも、その当たり前がこなせていないメンバーも見かけたので、やっぱり北山くんはすごいなあと再確認したりもした。一瞬一瞬が全力。大喜利にしたって、全力。可愛さを求められれば全力でそれを表現するフェアリーみっくんの裏に、超絶的な仕事人の北山くんを見た。HairやFire Beatを踊る北山くんは、過去のギラついたパフォーマンスを超える大人の色香で翻弄してくれた。サクラヒラリやThank you じゃん!で、客席を優しい目で見つめながら誘導する姿は、とても頼もしく、どこまでもついていきたいと思わせてくれた。

 このエントリーのタイトルは、北山くんが今回のツアーのほぼ全編を通して最初の自己紹介を含めた煽りの部分で口にしていたものだ。なんとなく、私はそうやって北山くんが言ってくれたのが嬉しかった。自分が求められていることを自覚してくれたからこその言葉であると感じたからだ。「今日だけは」なんて限定してきたのもいじらしく感じる位に「みんなのみっくん」という言葉が嬉しかった。

今回のツアーパンフに、以下のような記述がある。

「滝沢歌舞伎」に出させてもらって、久しぶりにジャニーズの世界を、もう一度深く考えたよ。デビュー後、しばらくそういう世界から離れていたけれど、"やっぱりここが自分の基盤なんだ"って、そんな当たり前のことを再認識できたし、そのために努力すること、ファンのみんなの存在…そんなことを、日々考えて過ごしてたよ。

 合わせて、シンガポール公演のパンフレットからも。

Takizawa is always focused on the audience. I'd already known this but I was reminded of the importance of this, and of course extremely thanksful that I was so lucky as to get to work with such an incredible guy.

 滝沢くんのオーディエンスに対する姿勢を肌で感じ取り、その感覚を思い出した北山くんから飛び出した「みんなのみっくんでーす♡」という言葉。そしてコンサートでの一瞬の隙もない全力パフォーマンス。もともと鷲掴みにされていたハートを、さらにぎゅぎゅっと強く握りしめられたような感覚を覚えたツアーだった。北山くんを好きでよかった、ともうこれまでにどれだけ思ったかもわからない言葉が性懲りもなく浮かぶ。でも、本当にこの一言に尽きる。北山くんを好きでよかった。

 以上、しばらくはテレビ越しの北山くんを堪能する日々がやってくることにすこしの寂しさを感じながら、この濃密な一か月を思い返してみた。

 

滝沢歌舞伎 10th Anniversary シンガポール公演 備忘録

シンガポールにまで自担を追っかけてきました。場所柄、見に行きたくても行けなかった方々に少しでも伝わればいいなあと思いながら自分の記憶がたしかなうちに書き記しておきたいと思います。全体像が伝わればいいなあと思ってます。長くなるかと思いますがお付き合いくださいませ!

 

【会場】

 マリーナベイサンズグランドシアター。私も行ってみて初めて知ったんですが、シアターはあの有名な三本のタワーの上にプールが乗っかってるほうではなく、そこから道路を挟んだ向かいにショッピング街などが並んでいる側にありました。もちろんタワー側からショッピング街まではつながっていて、そこには運河的なものも流れていて(ボートに乗って川下りもできるらしい)、何十倍にもお金のかかったイオンモールといった感じ(語弊)

 シアターの入り口は意外と小さい。左手にBOX OFFICEがあって、そこで当日券を売ってたり、引き替えたり。グッズ売り場(なのかは怪しい)はその裏にあってあまり広くなかったです。そして、入場時に数人の係員にチケットを見せるのですが、もぎるのではなくて、ぴっとバーコードを読み込まれる形式。なので半券はくっついたままです。手荷物検査は木の棒をカバンにつっこまれつつ、結構念入りにみられます。水のペットボトル以外は没収でしたっけ?こっそりと同行者様の方のカバンに忍ばせておいた、博多銘菓のにわかせんぺいは没収されずにすみました(ご挨拶する方へのお土産用)

 エントランスが、ただただ広い!縦にひろい!それもそうかな、我々は三階席での観劇だったんですが、ひたすら階段を駆け上りました。たぶん四階分くらい。新橋の比じゃないくらい高いです。でもシアター客席自体の奥行はあまりないように感じる設計で、三階席でも十分楽しめました。二階、三階にはボックス席と呼ばれる席がありました。新橋で言う、下手上手にあるちょっと出っ張った席です。二階下手のボックス席は岩本くんの刀投げや、河合くんの弓矢を引くシーンで使われており、解放されていませんでした。

 

【本編】

※あくまで主観で、なおかつおぼろげな記憶を頼りに書いておりますので、間違いがあったら教えてくださるとありがたいです!

 

1.Takizawa Kabuki Overture

新橋同様、真ん中に「The Takizawa Kabuki」と書かれた大きな本が置かれていて、白い布が垂れ下がっています。本は新橋公演のものとは形状が異なってました。もっとちゃちい感じでした。(おそらく本庄さんの本の中に入っていくという演出がないからかなあと思われます)ピンスポで下手に後藤くん登場。おなじみの歌舞伎のテーマ曲ではなく、後藤くんのバイオリンソロ(結構ハードな感じの弾き方)で始まる。そこからBGMと共にいつものメロディが流れて、英語のナレーションと共に白いロングドレスを着た女性ダンサーたちが本を囲んで踊り、白い幕が左右に引っ張られて滝様が現れます。

 

2.Opening Spring Dance ~ "Haru No Odori" ~Prehistory "Inishie"

桜の木をバックに滝様一人で登場。「春の踊りは」「よぉいやさ~」の掛け声とともに、滝様は真上にフライング。それと同時に『滝沢歌舞伎』一文字ずつの垂れ幕が落ちてきて、最後に白地に赤文字で『滝沢歌舞伎』の垂れ幕が掲げられる。(前楽の公演はこの垂れ幕が引っかかって後ろの待機するJr.ちゃんたちが見えてしまうハプニングもありました)聞きなれた音楽、青い法被姿のJr.が櫓とともに登場。新橋公演ほどの立派なものではなく、もはや櫓でもない…扇型のなにか…?それがセンターでぱっくり割れて滝様がフライングで登場。あとは新橋公演とほぼほぼ変わらず。もちろん回転セットはないのですが、奥に一段高い階段つきの移動式ステージが一応ありまして、滝様はそこで踊り、Jr.ちゃんたちは前で踊っている感じ。衣装はいしにえからすのちゃんだけ蛍光色の法被になります。すのぜいまどめいどで二列になり、上手側のぜいが三人で踊り、そのあと前列のすのと後ろのまどめいどで踊る、っていうところが新橋にはなかったフォーメーションかなあと思います…ぼんやり。そのあと、Jr.ちゃんたちとダンサーの方々で縦並びの拍ずれダンスなんかもあったり…左右対称でまどめいど、ダンサー、女性ダンサー、すのぜいという感じだったかなあ…並び順はぼんやりしか覚えていないので割愛。

で、河合くんが上手から歌いながらピンスポ登場。続いて北山くん。新橋で会った薮くんの赤い布をぴっとやって「あっそこに滝様がいる!?二階のせり出しから!?」みたいな演出はなかった…ですよね?(笑)普通に滝様が二階上手のボックス席から「しょっぎょおむっじょお」でフライングです。ふみみつのフェイクも安定のものでした。やっぱり声質合ってて(というかやっぱり河合くん歌うまい)いいね~!!って思いながら聞いてました。北山くんはじっと客席を見据えてあまり動かずに歌ってる感じ、河合君はそれとは対照的に手がよく動く。あーまじふみきゅん!!!ってちょっと感動。

腕をぐっと構える振り付けのところの北山くんは、春よりもがっしりとした二の腕で、さっそくひとつめの鼻血案件でした。このフリが好きすぎて完コピを目指したい。

いにしえが終わったあとが新橋ではなかった演出。暗転して、移動式のステージ上に四人の着物の女性。スクリーンで日本の四季についてのナレーションが入る中、上手から北山くん、下手から河合くんがゆるいピンスポと共に登場。衣装は白い浴衣、北山くんは緑の帯。下はいしにしえのズボンのままで、裾は左右に分けて着てる感じ。そのまますれ違って上手に河合くん、下手に北山くんという立ち位置になり、すぐに後ろを向く。夏のナレーションが終わったくらいで2人とも動き出し、四人の着物の女性の前にある一段低いステージに左右それぞれからのぼり、ダンス。BGMは流れているものの、とても静かでゆるやかな曲なので、それに合わせて踊っているという感じはせず、なめらかに無音のなかでふたり息を合わせて踊っている感じ。細かい手の動きとか体の動かし方とかはそれぞれ違うけど、揃うところ(というか揃えるべきところ)はしっかり合わせててふたりの歴史を感じた。そしてなによりサイズ感がぴったりで!途中、ふたりがすれ違ったと思ったら止まって、バッと決めるっていうフリがあったんだけど、そこがなんともそれぞれ個性的なのに息がぴったりでふたりの歴史を(以下略)終盤、北山くんが、自分が立ってる移動式ステージ下にいるJr.が持ってる赤い垂れ幕を持ち上げて(歌舞伎の柄?隈取なんかが見えた)、北山くんが隠れて、河合くんが顔だしてもぐらたたきゲームみたいなのやっててかわいかった!いたって本人たちは真面目にやってるところが逆にいいですよね!

 

3.Nezumi-Kozo, The Chivalrous Robber

 鼠小僧の説明が英語ナレーションで入る。白い垂れ幕に映像。滝様は下手の三階席と同じ高さから登場。これがめちゃくちゃ高い。ロープで客席に高速で降りてくる。客席の一番前を通って、上手へ。千秋楽では、上手最前に座ってるお客さんの持ってたうちわを借りて仰いでました。移動式のステージの上に千両箱的なものがあって、それを開けてまぶしがる治郎吉。抱えて舞台を右往左往すると、どこかから「鼠小僧!!!」「どんむーぶ!!!」の声が。そうです!先生が!!いませんでした!!!赤い忍者さんたちが入れ代わり立ち代わり鼠小僧にとびかかっていくスピード感ある演出はそのままに、赤忍者と鼠小僧が絡み合うフライング(安珍のようなやつ)が追加されていました。あと、板を立てて滝様が上に乗ってバランスを取るやつ(忠臣蔵ってやってるやつ)はここでやってましたね。銀の普通の脚立が出てきて、それを使って奥の高いステージに昇る滝様。結構毎回板を倒すところでは歓声が上がっていました。最後は、高いステージがないので、鼠小僧を追い詰めながら、鉄むき出しの移動式の階段をJr.ちゃんが移動させて、舞台の前方に持ってきます。そして、小判をバっと散らせる演出をするのですが、滝様の代名詞というか高いところから飛び降りるやつ(演出の名前が出てこない。08のDVDで吉良を追い詰めたときにやってたやつ)をここでやったんです!飛び降りながら、ばっと舞う小判。おそらく下に沈んだオケピ部分に落ちていったんですが、すごい迫力でした。そして客席全体に小判が降り注ぎました。

 

4.Ghost~Princess Kiyohime

5.Mask~Mask Changing Mask Projection ~ Mask Dance , Mask Changing

このふたつの演目は別に書いてあったんですけど、ほぼほぼ一続きだったかなと思います。客席に白装束のお化けが登場して、観客を驚かしながら歩いていく度に悲鳴があがります。そのときに全部を知ってる日本人の観客は笑い声をあげちゃってて、それがなんとなく緊張感なくて微妙だったなあと思いました。で、いつの間にか、ボロボロの衣装を着たマスカレード風のJr.ちゃんたちもそこに交じって、一気に和洋折衷のわけわからない感じに。舞台に集結したお化けさんたちの後ろには、安珍に出てくる大蛇が四体ほどうごめいていて、お化けさんたちとボロボロのJr.ちゃんたち(二人くらいサーキュレーターを持って舞台上の小判を払いながら踊ってたのが笑った)が苦悩にみちたダンスをします。そんな中で、スクリーンに浮かび上がっていた二つの仮面に、滝様の顔が映し出され、英語で光と影の単語が交互に繰り返されます。滝様の英語にまったくイントネーションがないのが少し残念だったかなあと。日本は声色を変えていてすごくぞわっとしたので、英語でもそれが聞けたらよかったなあと思います。

ボロボロJr.ちゃんの群舞は新橋通り。階段から降りてくる江田くん、林くんもそのままなんですが、滝様登場のときにふたりが大きな金の扇子で隠しながら前に出てきたのが日本との変更点かな?あとは日本通りです!三人のサイズ感がぴったりで薮くんの変面もすきだけど、これも好きだ!!!!ってめっちゃ心の中で叫んでました。大きな失敗もなかったと思います。北山くんの最後のドヤ顔に関して、千秋楽のドヤ顔が私至上に残るドヤ顔でした。死ぬほどかっこよかった。一瞬なのに目に焼き付いていて…。髪型がGoodのときのデコみつだったんですよ!ほんとに!!胸いっぱいのまま暗転です。

 

6.Japanese Drums "Taiko"

ついにきたか、と。バトン演技の間に、太鼓の英語ナレーションがはいり、太鼓のセッティングが行われて、いよいよ明転。今回も例にもれず北山くんしか見てない。一瞬だけ苦悶の河合くんみた。萌えた。(終わり)滝様ふみきゅん他みんなごめんなさい!!!!!(土下座)北山くん、基本的に春よりも数倍成長した身体だったんですよ!まず腕の逞しさが違いました。鎖骨から上腕にかけての筋肉が成長してました。もりって。もりってなってた!!!そして鎖骨から胸にかけても。胸筋が!!胸があるんですよ!!!光の関係かもしれないんですが、確実に谷間がありました。なんていうか、こう、線が増えた感じなんですよ。筋肉によって身体に浮かび上がる線が…!!腹筋太鼓での、外腹斜筋も春よりもバキバキな気がして!というかほんとに体の線が太くなったというか、元から細い子ではないと思うんですけど、なんというか『骨太』な感じ?たまりません。まだまだ語れるんですけどこれ以上は個人的嗜好の話になるので割愛します。いつか書く…。太鼓の感想は以上です(笑)

 

7.Takizawa Suite Suite introdaction , Mai-Star , Ikusa , Heart~”Kokoro”

 太鼓終わり、噂の半裸バレエダンサー佐久間くんの登場です。本当に素晴らしかった。なんとなく、ふわっと、脳裏にドラマ「きみはペット」のモモ役の松潤が浮かびました。舞台でひとりでスポットライトを浴びて、艶やかに舞う佐久間くん、すごかった。春のいつかでのあのあざとさ満点のターンを超える舞いでした。途中、ライトセーバーを手にして舞うと、それまでの柔らかさに加えて男らしさも感じられて。そしてそのライトセーバーをかざした先に連獅子のふみみつがそれぞれ上手下手の客席(お立ち台的なものあり?)にスタンバイして頭を回す、という感じでした。ただこの演出は三階席からでは1ミリも見えないので、なにが起きてるかわからずといった感じでした。この一回しか観劇しなくて、それが三階席のひともいると考えるとちょっと残念でした。連獅子の北山くんは一回頭を回して、髪の毛をばっと持ってくるところのキレが最高でした。一旦スピードが落ちて、ぐっと力を入れて長い髪を反対側に回すんですけどね。力強かったです。表情はあまり見えず…。そこからのバトン隊と滝様のしっとりとした演技はそのままです。そして白い布が出てきて、その合間から滝様、河合くん、北山くんの順番で登場。ただ、そのあとの滝様がセンターのステージの上から布を下ろしていきなり北山くんと薮くんが現れる!次はすの!っていうような演出が日本ではあったかと思うんですが、今回はそれが割愛されて、白い幕が引かれたらそのまま群舞に突入してたような…(おぼろげ)その後のダンスはほぼほぼ日本と変わってないと思います。組曲、ほんとに最高ですよね!新橋で見たときはさらっと流してたんですが、やっぱりTHE・ジャニーズな演目で、ピラミッド型の立ち位置からの拍ずれダンスの迫力とか素晴らしかったなあと!圧巻でしたねー!ふみみつシンメも、基本的には自分のスタイルで踊るんだけど、ふたりで滝様より前に出て踊るパートがあって、そこはピタッと合うんですよねえ。あと、北山くんの伏し目のオンパレードでもう!一旦斜め下に視線を投げてからぱっと前を見たときの顔と目。それが何回も見れる組曲最高です!

 

8. Song by Takizawa & Kitayama Believe Yourself

 投影機の前にすっと出てくる滝様と北山くん。北山くんはすでにローラーを履いていて、白いシャツをひらめかせながら登場します。そしておもむろに座って、Believe YourselfをBGMに影絵が始まります。二匹のウサギのキスもあったり、北山くんの猫ちゃんをくすぐる滝様の影絵もあったり。滝様が急須を作って、北山くんが湯呑を作って、そこにお茶が注がれて、北山くんが飲んで「うん」って頷く影絵が日本ではなかったかなあと思います。(シンガポール公演の後半から追加されたとか?)そして影絵が映っていた白いスクリーンが上がり、まっすぐステージの真ん中に歩いていく滝様と、それを眺めながら周りを優雅に滑る北山くん。なんかとても神々しくって!北山くんには白いスカーフが追加されてて、それを腰(しっぽみたいな感じで)からひらめかせてるんですけどほんとに優雅っていう言葉がぴったりでした。最初からローラーを履いているので、北山くんのバレエ的なダンスが見れなかったのは非常に非常に残念だったのですが、ローラーで片足を後ろにあげて前傾で滑るっていう軽いイナバウアー的な技をやりながら歌ってて、普通にうっとり見入ってました。北山くんのロープを使ったアクションはローラーやりつつなんで春より回転多め?な気もしました。気のせいかもしれません(笑)大サビで、二人が腕をがしっとつかんでフライングする演出もそのまま。もうなんというかそこの一瞬の間合いがたまらなくて、本当に同時に、すっと腕を握るんですよね。なんなのこの長年連れ添ったような空気感!!つばーさ嫉妬する!!!って私でも思ったよタッキー!?(笑)本当にふたりの信頼し合う感じとか、支え合う感じとか伝わってきて毎回号泣でした。この演目での北山くんは滝様に寄り添うパートナーみたいな感じがして、でも後述の義経ではがっちり滝様の対の一役者として動いてて、その辺の使い分けが、ああ彼は俳優なんだなあと思わされたところです。演じ分けてる、というよりも自然とその空気感に入って行ってる、というような気がしました。

 

9.Takizawa Troupe  Takizawa Kabuki Introduction , Calligraphy "Passion" , Kojo

幕が下りて、そこに過去の滝沢演舞場や滝沢歌舞伎の映像が次々に映し出され、英語のナレーションが入ります。ここで藤ヶ谷弁慶も結構な尺(というより結構なアップで)映し出されていました。ちょうど五条大橋で牛若と弁慶がすれ違うシーンですね。よかったねたぃぴちゃん!(笑)年次列ではなく、演目ごとで流れてた気がします。水芸、とか、歌舞伎、とか。大向こう(よっ滝沢!みたいな掛け声のこと)の説明なんかもここでありました。ダンスパートの説明もあって、そこで屋良さんが映っててその隣の戸塚さんがあまりにもカッコよくてひええええってなってました。その幕の向こう側、上手だけがピンスポあたって、滝様が白塗りの準備をしています。滝沢歌舞伎の説明が終わると、上手の滝様ピンスポはそのままに、書道・漢字の説明。なんの字を書くかまでナレーションが入ります。(Hoshi, The mean is "Star" 的なニュアンス。ニュアンスです)その間、舞台中央で正座し頭を下げてる北山くん。上手には薮くんが来ていた衣装をきた河合くんが立っています。薮くんは下も黒袴だったと思うんですけど、河合くんは白ズボンでしたね。そして、正座からすっと顔を上げる北山くんの凛々しいこと!そして、また半紙の上をぐるっと見て回ります。ことのほか日本よりもバックのスクリーン映像が鮮明だった気がする…?カラーだったのか…?なので双眼鏡覗かずにバックのスクリーンに映し出されるアップの北山くんをじっとみつつ、半紙の上をアリエッティしてる北山くんも盗み見つつ、みたいな贅沢な時間をすごしました。汗が半紙に滴る感じも見えてほんとにたまらなかったです。字もあまり掠れることなく、日本よりも幾分余裕が見えた気がしました。発達した筋肉のおかげかな?でも、夢という漢字はやっぱり時間がかかっていて河合くんの待機時間も長くて心の中で「ごめんね!」って謝ってました(何様)千秋楽の日、日付を確認するときの上目遣いに殺されかけ、その後すべて書き終えて前に出るとき、河合くんとがっちり目を合わせてから行ったことで死にました。最高かよ!!!私が見た漢字は「夢」「美」「星」でした。

その後、上手からオレンジ緑黒の歌舞伎カラーの幕が引っ張られて、五人のシンガポールキッズが下手から滝沢歌舞伎と書かれた番傘をくるくる回しながら登場。彼らによる口上がありました。上手から順にひとりずつ話をするんですが、英語だけどまあ意味は伝わるレベルの英文だったのでよかったです。みんな好きな食べ物だったり、将来の夢だったりを言ってたと思います。その中に後述のラササヤンで北山くんがウザがらみする男の子がいたんですが、その子は茶碗蒸しが好きだと言っていたので、私の中では茶碗蒸しボーイを名付けていました(無駄情)

 

10. Takizawa Kabuki  Autumn Dance ~"Aki no Mai" , Goemon ,Oshichi , Crane Prince & Crane Princess

まず秋の舞。日本と違うのはすのちゃんたちが白塗りしてないところ!あとの構成やダンスはそのまま一緒だったと思います。舞台に花道がない分、そこで踊ってる部分はカットされて短くなっていたのかなあ…という印象もありますが、自信はないです。そして秋の舞から幕が開いてすぐに五右衛門へ。セットはほぼほぼ日本と変わらないものの、上の段にいたJAEの方が転がりながら一段おりて、また転がりながら一段降りて、みたいな演出はなかったです。ただ単に二階立ての櫓があるだけでした。「うごーくなー」「なにを~」のやり取りの後、さくっとそのまま一階に降りた(もちろん櫓の後ろを飛び下りて)五右衛門の横に、上手に河合くん、下手に北山くんという形で登場します。もちろんすっぴん。あとの演出はほぼ一緒なんですが、花道がないので、舞台上でそのままやる感じです。梯子ののぼり順は北山くん、滝様、河合くん。北山くんが一番上手側にいます。なので我々は真横から北山くんのお尻と太ももを拝んだわけです。相変わらずぷりぷりでした。で、そのまま梯子が半回転して、北山くんが下手側になるので、日本で薮くんがやっていた五右衛門の刀を取るやつは、北山くんがやってました。そして立ったまま見得を切って後ろに倒れて捌けていきます。その後のすのちゃんたちの立ち回りもほぼ日本と一緒。岩本くんの刀投げは、冒頭にも書いた通り、二階下手のBOX席からなので相当の距離がありますが、そこは宮舘くんとの阿吽の呼吸でばっちり決まってました。五右衛門が次々に上手後方から出てくるJr.ちゃんたちを斬っていく演出も、日本では花道があるので、そこに消えて行ってましたが、花道がないので下手前方の出口から。五右衛門もそこに捌けていきます。

お七。ほぼほぼ日本と一緒です。唯一違うのは英語でお七の説明をして舞台中央でお七の人形を操ってるときにガキヒロのBGMが追加されたことかな。村治くんの三味線の代わりなのかなーという感じです。人形劇のあと、お七が出てくるんですが、その後ろの岩本くん宮舘くんの動きが春よりも断然キレキレだった気がするんですけど気のせいなのかなー?スピード感といいキレといい、格段に上がってて思わず拍手したくなるくらいでした。その後石垣くんの赤い布パタパタ@シンガポールも無事に目に焼き付けてきたので満足です。

鶴王!二胡を演奏する下手の後藤くんにピンスポがあたって、上手下手からそれぞれ山本くんと江田くんが出てくる。そして下手から出てくる河合くんと林くん。振り付けは日本と一緒。そのあと幕が開いて、鶴さんたちが登場。ひとりずつくるっと回る演出はなくて、つるみつくんももう舞台中央、鶴王の脇に構えてます。なのでかわいいかわいいつるみつくんがキラキラした木の枝を持ってくるくる回りながら鶴王様に駆け寄る演出はありませんでした。残念!!しかしつるみつが持ってる木(なのか花なのか)は枝先の葉に小さいライトがついてバージョンアップしてました(笑)鶴王を見つめるまなざしも、姫を見つめるまなざしも相変わらずめちゃくちゃ優しい。ちょっとうっとりしたような顔。白塗りしてないから余計にそんな顔してるのがわかる。河合くんが二階下手のBOX席から弓を放つときの驚き、怒りに満ちた表情も素敵だった。白塗りつるみつも好きだったけど、すっぴんつるみつもまたカッコイイ感じでした。怒りがストレートに伝わってくる表情をしてるのにあの恰好なのでそのギャップもたまらないですし。その後、下手の客席のドアから捌けていくつるみつさん。怒りに震える鶴王が覚醒し、赤い紙ふぶきを散らせながら鶴さんたちの群舞です。その途中でつるみつくんが敵勢をつれて登場し、全員で見得をきります。この辺はほぼ日本と一緒ですが、花道がないので、出入りが下手客席のドアだった気がします。(ただあんまり自信がないです。記憶違いかもしれないです…普通に舞台下手から出てた気もするし…。)その後わちゃわちゃと敵勢とやり合うなかで、林くんと対峙するつるみつくんがJr.ちゃんたちふたりに手伝ってもらってくるっと回転するんですけど背中が見えるし、黒いパンツがチラ見えするのがたまらなかったです(集中して!)そして、敵勢の大将河合くんとやり合うときの!顔が!!!!河合くんの弓をぐっと押さえながら、ぎりぎりと歯を食いしばって睨み付ける表情がたまりませんでした。かわいい恰好してるくせに男らしくて!白塗りときはただただかわいいって思ったんだけど、やっぱりすっぴんだとその辺変わってきますよね。ラスト、全員で見得を切るんですが、その時の顔も千秋楽だけは違った印象を受けました。本当に力強い目をしてて。気合がわっと伝わってくる表情でした。

 

11.Singapore Kids Opening Dance , Ue Wo Muite Arukoh "Sukiyaki" , Rasa Syange Syange , Light of Hope

シンガポールキッズによるダンス。スクリーンのバックにはシンガポールでのオーディション風景が流れます。それぞれキッズたちは赤と白を基調とした衣装。割合としては女の子のほうが多かった気がします。何人かに分かれてソロダンスをしますが、その時にはスクリーンにきっと滝様が撮ったと思われる一人一人の写真が。こういう演出を出来ちゃうところが滝様だし、ほんと素晴らしいなあと。ダンスが終わると、手拍子とともにすのちゃんたちが出てきて、上を向いて歩こうのメロディが。だいぶポップにアレンジされてましたけど。バックのスクリーンにシンガポールの夜景を背景に上を向いて歩こうを歌う滝様の映像が流れる。その映像が夜景と滝様絶対合成だなっていうクオリティなのでちょっと面白い。すのちゃんたちとキッズたちで踊ってるんだけど、岩本くんが子供に優しく微笑みかけながら踊っててまじかよ!!ってなった。ギャップありすぎる…。阿部くんはホントいいパパになりますね♡って感じだった。そして上手から北山くん登場。「上を向いて歩こう~にじんだ星を数えて~思い出す夏の日~ひとりぽっちの夜」ってところが単独パートかな。微笑みながら優しい表情で客席をゆっくり見渡しながら歌ってました。その後、曲調がいきなりヒップホップ調になるんだけど、そのときに客席にお尻を向けて、キッズを「YO!YO!」みたいな感じであおる北山くんと佐久間くん。河合くんとかもキッズとじゃれてんだけど、そんな比じゃないくらいにうざい絡みをぶちかます北山くんがどこまでも北山くんでした。佐久間くんも付き合ってくれてありがとう。舘様だったらしてくれてないだろうなあって思ってた(笑)そして!問題の!ラササヤン!!これ、シンガポール限定にするのがもったいないくらいキュートでプリティな北山くんが拝めるんですよ!!!!!ラササヤンというのはシンガポールマレー半島の童謡みたいなものらしく、みんな聴き馴染みのあるものみたいですね。

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ラサ サヤン ヘイ ラサ サヤン サヤン ヘイ
ヘイ リハ ノナ ジャウ ラサ サヤン サヤン ヘイ

っていうのがサビみたいなもので何度も繰り返されるんですが、「ラササヤン」部分で頭の横で人差し指を立ててくるくる回すんですね。で、「ヘイ」の部分でそれを前に出す。それを二回繰り返して、二行目の「ヘイ」のところで両手を横に出して\(^o^)/みたいな感じにポーズを決めて手拍子にながれるんですが、そこの!!!!!!北山くんが!!!!!!!!!!!小首をかしげるんですよ!!!こてんって首を!!!!もうすぐ30歳のくせになにやってんだ、って、このあとあの冷酷な景時さまやんだろ?おいおい、って頭を抱えましたよ…素でかわいいのやめて欲しい。そして、前述の茶碗蒸しボーイにやたらと絡む北山くん。後ろから両手を持ってぶんぶん振るんで、茶碗蒸しボーイはうんざり顔でなすがままになってるんです。きっと自分で踊りたいのに!(笑)そして滝様が手品を披露するところで、キッズと共に座って待機するんですが、その時もちょっかい出すんですよね。でも一切相手にされてない。ホントに相手にされて無くて笑っちゃうくらい。横からぐいって顔を覗き込んでもシカトかまされる北山くんかわいすぎて…。でもまあそんなことじゃ落ち込まない北山くんは、滝様の手品にこれまたうざったい感じでリアクションします。牛乳がなくなっちゃう手品では「うぇあーいずみるく!?」と目を真ん丸にして驚きます。(みるく、の発音がやら良い)そして衣装の早替えには頭を抱えて「おーまいがー!!!」「よっ滝沢!」とあおったり…まあカワイイ。このおじさんウザカワイイ。…話が脱線しましたが、この曲で客席降りがあって、すのちゃんたちが前方、ぜいまどちゃんたちが後方でしたね。お客さんとハイタッチしたり手を振ったりでまさかの歌舞伎でファンサ天国。石垣くんが楽しそうに客席でラッサッサーしてて私はよかったね、と母のような気持ちでした。千秋楽では、この曲が始まると同時に観客全員が自然な流れで立ち上がって、全員でラササヤンを踊るというなんとも楽しい光景が広がっていました。めっちゃ楽しかった。前の席のアラブ系の女性もノリノリでフリをやってて、ああ歌と踊りは国境を軽く超えるんだなあと感動してました。そして、パンフレットでは ここで「Light of Hope」てなってるけど私にはその記憶がすっぽりありません…ラササヤンみったんの破壊力のせいだと思われます…。

 

12.Projection Mapping Performance

いわゆる日本版のShadow Danceです。阿部くん渡辺くん宮舘くん、あとぜいちゃんたちの。千秋楽後に合流した現地の方の感想を聞いていても、この演目のことをおっしゃってたんで、やっぱり成功だったんだなあと。わかりやすいコントラストと、それに沿った振り付け、なおかつ漢字を交えての演出なので海外ではハマるだろうなあとは思っていたんですが。日本と同じ構成、尺だったと思います。そしてセンターで踊る渡辺くん好きだなあって思ってました。ちょっと力の抜けた感じが好きだなあと。

 

13.Yoshitsune (Sword Fight)

新橋との変更点。

・則蔵と十兵衛なし。

・舞台セットが違う。左右対称、三段くらいの構造。センターにはマット(舞台後方の一番高いステージから飛び降りる用)、その左右に小さな池。シンプルな構造。

義経が菊の花をたむけて、弁慶、三郎と共に手を合わせる演出

義経が三郎に小刀を渡すシーン追加

・下に沈んでいたオケピから頼朝軍登場

義経がたむけた菊の花を景時が踏みつけながら刀を抜く演出

あとはばあーっと殺陣が始まるんですが、セットの構造が単純なので目で追いやすかったです。あと、薮くんの演じた三郎よりも、今回の河合くんの三郎のほうがストーリー性を持っていた気がします。義経に小刀を渡されても、しばらく使わず、生身で戦う。敵方の刀を奪い、それを投げつけて相手を斬るという大技をかましつつ、脇に差した小刀はそのまま。自分が何度も斬られてようやく小刀を抜いて、一番高いステージまで上がっていって、敵に追い詰められながら、舞台中央の一番高いところで斬られる。倒れて、ぐっと敵に蹴られて下に落ちてしまう三郎。その時、弁慶も追いつめられていて、敵に囲まれて絶体絶命のピンチ。敵の刀が振り下ろされて、危ない!というときにひん死の三郎が最後の力を振り絞って弁慶を守る。そしてそのまま息絶える三郎。死に方は薮三郎のほうがだいぶ派手でした(笑)そして息つく間もなく景時が下手から現れて、弁慶とやり合う。奥から義経が出てきて、それを確認してからもう一度弁慶を斬りつけて、上手に去って行く景時。義経はそれを追う。弁慶は敵方に囲まれて一気に全員に斬られる。その時に赤いライトと水しぶきがバッと上がって血しぶきのようになる舞台演出あり。そして残すは景時と義経の一騎打ち。手下たちに義経を襲わせて、それを上手の2段目くらいの高さから見下ろす景時。舞台中央で半裸になり髪を下ろした義経が次々に敵を斬っていく。雨の中、それをじっとみつめながら階段をおり、舞台下手に歩く景時。義経は敵を斬りながらも、じっと景時を睨んでいて、その時のふたりの間合いが本当にぴりぴりとしていて息を呑みました。その間合いを保ったまま、じりじりと敵を倒しながら景時との距離を詰めていく義経。舞台の一番高いステージで刀をついに交えたふたりは、そこから同時に飛び降ります。そして最後の斬り合い。お互い同じくらい相手に傷を負わせるんですけど、本当に迫力満点というか。日本版とはまったく違う殺陣でした。お互いの刀が脇に刺さった状態でぐいっと刀をもうひと押しする演技と表情が本当に素晴らしかったです。08の景時と義経の斬り合いは、よく見てみると景時のほうが押されてるんですよね。終始義経優勢で、景時は傷を与えることもできずに斬られて死んでいくんですが、今回は同等の力でやり合っている感じがしました。でも最後は斬られる景時。死にざまも素晴らしかったです。そしてまた現れた敵勢を次々に切り倒していく義経、というかたちで幕が下ります。

日本版ももちろんよかったんですが、菊の花を踏みつける演出とか、より景時をヒールに仕立て上げたのが良かったのかなと思います。勧善懲悪がはっきりと見えてわかりやすかったし、やっぱり舞台セットの構造が単純で見やすかったのも良かったです。日本版は則蔵十兵衛と三郎、三郎と弁慶、弁慶と義経というような仲間を思うという部分の演出がいくつかありましたが、シンガポール版にはそこがありませんでした。完全に正義と悪の一騎打ちに終始し、リアルな殺陣がメインだったと感じました。私は2015年でいうならシンガポール版の義経のほうが好きですね!迫力がすごくて!

 

14. WITH LOVE

Jr.はひとりひとり名前を呼ばれて、バックスクリーンにも名前が表示されます。千秋楽はここで名前が呼ばれる度に歓声が上がって素晴らしかったです。鳥肌が立ちました。そして、滝様が登場し、「Thank you for coming. Last Song "With Love"」的なことを言って、イントロが流れてきます。登場と共にバックに流れる写真は日本版とは異なるもの。パンフレットに載ってる個人写真と同様でした。そして最後河合くんと北山くん。滝様との三人で映っているショットはいわゆるちゅー顔みたいな感じでめっちゃかわいかったです。河合くんの衣装は薮くんのイメージがあるので若干丈が余ってないかな?大丈夫かな?って思ったけどまあ余計なお世話ですよね。そして、ラララ~のところから滝様がフライング。その前に持ってるマイクを北山くんに渡して、北山くんがそれをすっとジャケット脇のポケットにしまう。その間にフッキングする河合くん。この流れ作業がほんとプロでうぉおおとなりました。そして、滝様のフライングをじっとみつめる北山くんと河合くん。雪の舞う中のフライングはホントにきれいでした。そして千秋楽はホントにふたりともぐっとくる表情をしてまして。

もうどうしようもなく泣けてしまって、こっから先はあまり記憶にないです。いろんなことを考えてしまって。でも本当にこの場所に北山くんが立ててよかったなあ、と。そしてそれを見ることができてよかったなあ、と。ひたすら滝様ありがとう!!って思いながら拍手をしていました。

千秋楽では、カーテンコールが一回ありました。鳴りやまない拍手に、本当に嬉しそうな滝様とそれを見てほほえましそうに笑う北山くんと河合くんがいました。無邪気にはしゃぐ滝様につられてジャンプしちゃう北山くんはいつもの北山くんで、あーほんとにこの人は悲しそうな顔ひとつ見せないなあと思いながら見てました。でもそれは滝様がいるからなのかもしれないなあと、今となっては思います。滝様も、同様に、終わりを迎えたことに関してひとつもネガティブな感情は見えなくて、それはきっと次のものを考えているからなんだろうなと思いました。そんな背中を追っていたら、そしてその隣に立つことを許されたら、北山くんも悲しむ暇なんてないだろうなあと思いました。

 

以上です!15000字オーバー!(笑)Twitterのレポはやはりこまごまとしていて流れがつかめないと思うので、一通りの流れをくんだレポを書きたかったのですがここまで長くなるとは思いませんでした(笑)少しでも行った気になっていただけたら嬉しいです!ここまで読んでくださってありがとうございました!

 

無意識のあざとさ~TVガイドPERSONの感想文にかえて~

 

 私はジャニーズというどこまでも営利的なのに情緒あふれるアイドル集団がとにかく好きだ。ジャニーズを愛する人たちのなかには「担当」という制度がある。それにのっとると、私は北山宏光を担当としている。他のジャニーズアイドルに沸くことは多々あれど、ここが揺らぐことは今のところない(つもりです)

tvguide-person.zasshi.tv

  北山くん目当てでこの雑誌を購入した。歌舞伎を見て、というより、北山くんを好きになってずっと感じていたことに言及されていたので、ちょっと文字にしてみようと思う。

 

 『無意識のあざとさ』という言葉は、歌舞伎の感想をまとめながらふと思いついた言葉だ。『無意識』と『あざとさ』は一見すると、相反するものであり、両立しないと思っている。意識的にするからあざといのであって、普通は無意識では行わないからだ。しかし、北山くんにおいては、この二つがぴったりと揃っていると思っている。無意識で、あざとい。それが北山宏光という人間であると思っている。

 そもそも『あざとい』という言葉は、批判的な意味を持つものである。

kotobank.jp

 それが最近になっては「〇〇の笑顔ってほんとあざとい!かわいい!」という風に使われて、何となく一周回って褒めているようなニュアンスを含む言葉に変化している気がする。かくいう私もよく『あざとい』を使う。私の場合、悔しさがにじむときによく使用している。かわいすぎて腹が立つ、とかかっこよすぎて腹が立つ、みたいなとき。そしてそれは総じて、その対象が、意識的にそんな顔をしているパターンが多い。いわゆる『かわいこぶってる』『ぶりっこしてる』『キメてる』ときである。抜け目なく貪欲に可愛さをアピールするアイドルは、どこまでも正しく、仕事に真面目である。

 しかし私が北山くんに対して使う『あざとい』はちょっとニュアンスが違う。もちろん前述の感覚で使うこともある。「なんだよその顔~!あざといな!」と狙ってそういうヲタク心をくすぐる表情をしていると感じる時もある。しかし、そうでないときのほうが圧倒的に多い。例を挙げると、(滝沢歌舞伎2015を見ていない方には申し訳ないのだが)書道の演目の時、大きな半紙の上をぐるりと紙を睨み付けるように歩いていたときの表情。これこそ『無意識のあざとさ』を感じる表情だった。誰もがビックリするくらいカッコつけてるくせに本人が無自覚・無意識なのが『あざとい』のだ。この半紙を睨み付けるように歩く北山くんの写真を100人に見せたら100人が「カッコつけてる」と言うだろう。でも、きっと本人は別にカッコつけてるつもりはない(と思う。)北山くんに関してはこういうことが多々ある。コンサート映像を見ていても、スパっと抜かれたワンカットが異様に決まっていたりするのに、そこにわざとらしさや狙いすました感じがないのだ。立っているだけで、そこに存在しているだけで、本人がたとえ意識しなくても、カッコイイ。いちヲタクの自担への盲目的な愛に過ぎないと言ってしまえばそこまでだが、私はずっとこういう印象をもって北山くんを見ていた。

 そんなことを思っていると、欲しい言葉をほらよ、とくれるのが北山宏光というアイドルである。

――(略)普段から自然体っていうことなんでしょうね。

北山「このままだからね、俺。作っても絶対見抜かれると思うし、万が一見抜かれなくても何かの瞬間にボロが出たら崩壊するでしょ?(中略)結局、カッコよさってにじみ出るものだから、作ったカッコよさからは何も出てこないと思うんだよね。ナチュラルにいて、何でもできれば、それが一番カッコいいし。」*1

 ほらきたー!!!私の感覚間違ってなかったー!!!と思うと同時に、ずんと胸にきた。結局のところ、『無意識』ではなかった。きちんと明確な意思があっての『無意識』だったのだ。やっぱり『あざとい』。彼はどこまでもアイドルだ。ただただワーキャー言われるだけで満足しない、職業としてアイドルを突き詰めているひとりの大人だと思った。だから私は北山くんをもはや人として尊敬してしまっているのだな、と気付かされた。重い。こんなんだから本人に「俺のファンはねっとりしてる」などと言われるのだ。なんならライトでいたい。きゃぴきゃぴアイドルやっててくれたらこっちだってライトに好きでいられるのだが、いかんせん本人がガッチガチにビジョンを決めて(しかもそれをほとんど表面には露出させずに)職業・アイドルを突き詰めているので、重くならざるを得ない。だからねっとりしているのはあなたのせいですよ、と言いたい。我々のせいではない。

 『デビューする時にカッコつけるのをやめた』と北山くんはインタビューで話している。以前、滝CHANnelでも、北山くんは以下のように話している。

北山「(デビューを機にそれまでのいわゆるセクシー路線を藤ヶ谷に渡して)昔からのファンの子って『あれ?そんな感じ?』って思ってると思う」

滝沢「あーなるほどね」

北山「いまからつくファンの子たちは今の等身大(の俺を)分かってると思うけど、」

滝沢「おちゃらける北山」

北山「そうそうそう、でも昔からのファンの人たちって『ああそっち行っちゃったんだ』みたいな」

滝沢「『あれ?カッコイイ北山くんじゃない』と」

北山「そのファンの子の気持ちを考えると本当に心が痛い」*2

 私はここでいう『いまからつくファンの子たち』であり、『等身大』の彼を分かって好きになった。でも、ジャニヲタの登竜門である過去映像探索のたびにぎらぎらした北山くんが恋しくなってしまう。でも彼はあの頃の自分をカッコつけていた、という。アイドルなんだからカッコつけてなんぼだろう、とも思うが、彼にとってそれは上に登り詰めていくために必要な戦略のひとつだったのだろう。 デビューという一つの目標を勝ち取った瞬間に、カッコつけることをポイっと捨ててしまえるくらいに、カッコつけるということは彼にとって自分をアピールする手段でしかなかったのだ。

 こんなふうにほめたたえていると、まるで北山くんが完璧なアイドルのように見えてくるが、決してそんなことはないと思う。バラエティ番組でたまにとんちきな発言をするたびに目をそらしてしまうし、はしゃいじゃって周りが見えなくなって暴走しちゃってるな、と思うことも多々ある。でも、そういうところがあるからこそ、ああまだ手探りなんだな、と感じて応援したくなる。いつかそういうところが克服されて、北山くんのなりたい北山宏光になったときの姿を、この目で見てみたい、と思わせてくれる。応援するアイドルとして、北山宏光ほどの好物件はないのではないか。

 少し話は脱線したが、無自覚であふれ出るカッコよさを求めて、それを実際に体現している北山くんは、やっぱりあざといと思う。ずるい。北山くんがカッコつけているつもりはなくても、北山くんが意図したとおりに我々にはカッコよく映っている。北山宏光の思うツボだ。あざといの意味は『抜け目がなく貪欲』。まさしく北山宏光を表す言葉ではないだろうか。そして彼はそれを『無意識』にやってのけるから、私はいつも身構えることができなくて、不意打ちのように現れるカッコいい北山くんに撃ち抜かれてしまうのだ。

 北山宏光は『あざとい』。

 

*1:TVガイドPERSON VOL.34 p.36

*2:滝CHANnel  第136回2014年12月19日放送

ジャニーズアイドルを福岡に派遣しませんか?

 私は福岡で生まれ、福岡で生きてきた。大学4年間を東京で過ごしたものの、また福岡に戻ってきた。私は福岡が好きだ。福岡の特殊なローカル性は福岡出身の人間にしかわからないと思うが、大体そういうふうに言ってる時点で選民意識というか、福岡最高じゃん?っていう潜在意識が見え隠れしているようで自分でも嫌だ。でもやっぱり福岡が好きだ。(福岡って言いすぎ)

 6月6日、AKB48総選挙が行われた。福岡のヤフオクドームでの開催だった。開催が決まったとき、福岡のローカル番組アサデス!で「福岡での開催はHKTには追い風ですね~」なんて言ってた気がする。私はそんなわけあるか、と高をくくっていたが、そんなわけあった。

sousenkyo.akb48.co.jp

 1位は、指原莉乃氏だった。誰もが知るHKTの顔である。出来レース感も感じるっちゃ感じるが、それでも堂々たる一位だ。そしてなによりも7位に宮脇咲良ちゃんがランクインした。私がAKBにハマっていた超初期、神7と呼ばれた7人がいた。そこにHKTの女の子が入った。3年前ようやくHKTから一人だけランクインした咲良ちゃんは、たったの3年で神7まで上り詰めた。ふたを開けてみると、アンダーガールズのセンターははるっぴこと児玉遥ちゃんが陣取ったし、ネクストガールズのセンターも穴井ちゃんが取った。シングルのセンターは指原さんが取ったし、3つのセンターをHKTが獲得したことになる。グループごとの得票結果は以下の通り。

AKB48 41thシングル選抜総選挙結果 2015】
順位 最終票数 ランクイン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1位 997,062票 23人 AKB48
2位 757,973票 27人 SKE48
3位 557,023票 15人 HKT48
4位 361,809票 14人 NMB48
5位 *61,566票 *1人 NGT48

 なんとNMBを抜いてしまった。これは間違いなくHKTの時代が来ている。福岡県民として非常に鼻が高い。と思っている福岡県民は相当数いるのではないだろうか。福岡県民は総じて福岡が大好きである。

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 まあ、こう言われても反論できない。見下しているつもりはないが、福岡出身であることに誇りを持っている人が多い。実際に私の周りも、他県に進学しても結局福岡に出戻っている人間が半数を占める。みんななんだかんだ福岡が好きなのだ。そんな強烈な郷土愛とアイドルの力が融合した結果が、今回のHKT大躍進ではないかと推測する。

 福岡県では、ローカル番組が幅を利かせている。HKTの冠番組、「HKT48のごぼてん!」は日曜12:00から放送されている。ジャニヲタ的には日曜昼と言えば「スクール革命!」だが、福岡では深夜1時から週遅れで放送されている。それぞれ放送している局は違うのだが、日曜日昼という同時間帯、なんとなく私はジャニーズ負けてんぞと思う。福岡県民は遠くのアイドルより近くのアイドルを応援したい、なんなら福岡(ひいては九州)にゆかりのある人間ならまるっと応援しちゃるけん!というノリがある、と私は思っている。

 ふぉ~ゆ~兄さんが名古屋のCBCテレビの「ゴゴスマ」に出演している。なかなか好評らしい。地方ローカルの雄は名古屋であるという持論があるので(関西はちょっと特殊すぎて除外)ふぉ~ゆ~がゴゴスマで爪痕を残し話題になる度、羨望の気持ちがむくむくと膨れ上がる。ふぉ~ゆ~のメンバーに名古屋にゆかりがある人間はいない。にも関わらず愛され、育てられ、名古屋のひとたちを味方につけている。名古屋ばっかりずるい。福岡にもジャニタレを派遣して!!とハンカチを噛むこともしばしば。ジャニーズアイドルは基本的に東京での活動が大半を占める。名古屋は日本のちょうど真ん中にある。東京から遠からず近からずの最高のローカル性を持っている。本当にずるい。福岡は、いかんせん東京から遠い。東京と韓国なら、韓国に行くほうが安上がりだったりする。それくらいに遠い。でも、遠いと言っても飛行機を使えば2時間あれば移動できる。週1のレギュラーくらい、こなせないこともないのではないかと思う。

 もし福岡のローカル番組にジャニーズアイドルがレギュラーで出演したら。それはもう諸手を挙げて応援する。俺たちが育てちゃる!精神でたぶん怒涛のように応援する人間がたくさんいるはず。なんたって福岡の三大県民性は「祭り好き」「派手好き」「酒好き」だ。(最後は関係ないが)みんなで神輿をかついでわっしょいわっしょいする。いつか、そのアイドルに火がついて、ローカル番組のレギュラーを卒業してしまうときが来ても、我々は泣きながらその背中を見送るだろう。そして全国ネットの番組にバンバン出るようになったとき、したり顔で「アイツらがんばっとーやん」と酒を飲みながら語り合うのだ。ヤフオクドームで凱旋コンサートなんかやろうもんなら、県民こぞってお祭り騒ぎのはずだ。唐人町商店街でパレードとかやっちゃうかもしれない。ローカル番組ではやたらとコンサートの舞台裏に密着しつつ、全国ネットの番組での活躍と、まだまだひよっこだった時の彼らを交互に比較しながら「成長したね~」とまるで結婚式か!と突っ込みたくなるようなヒストリービデオを作って流すだろう。そんな未来が私には見える。

 以上、HKT大躍進にかこつけて色々と考えてみた。来年こそ、なこみくあたりがランクインしていよいよHKT旋風が本格化するのかなあ、と思う。SKEの背中が見える日も近いのでは?そうなったらいよいよ、アイドルを育てるにふさわしい都市No.1に福岡が躍り出てくる。ビジネス的にも福岡県民は派手好きですぐお金を使う浪費家が多いので、アイドルが稼ぐにはいい土地なのではないかと思います。

 ジュニア黄金期と呼ばれる昨今。いっそのこと福岡にだれか派遣してみませんか?というご提案でした。きっと違う形で火がついて、おもしろいことになるんじゃないかなあ、と思うんですけど。